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アンちゃんこと菅原諒彦(まさひこ)さんは、茅ヶ崎のゴッドハンド整体師。僕ももちろん多くの患者さんが、アンちゃんに救われています。サーフィンの世界チャンピオンや世界的に有名なカリスマサーファーも、そのウワサを聞いてやってくるほどのすご腕。いつも、顔も体も汗だくになりながら、患者さんの全身をくまなく施術してくれます。見た目はちょっと強面だけど、やさしく心地がいいんですよね。アンちゃんのメローな性格が施術にもよく表れています。
菅原
みんな、施術を始める前は苦虫をかみつぶしたような顔をしているけど、帰りは全員が笑顔。それが自分への報酬だよ。下は3歳から上は91歳まで。3歳の子は背中が曲がっちゃっていたんだけど治ったら、親御さんは泣いて喜んでくれたよ。

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整体師になった理由を聞かせてもらいたいんですが、アンちゃんはサーフィン抜きには語れないですね。サーフィンを始めたきっかけを教えてもらえますか。
菅原
小学校までは水泳と柔道をやっていたんだけど、高校生になってレスリングを始めたんだよ。高校2年生で全国大会に出場して団体戦で3位になって、オリンピック候補になった。
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すごいですね。
菅原
やっぱり元気がよかったんだろうね。だけど、イヤでイヤでしょうがなかった。オリンピック合宿に連れて行かれて、オリンピック選手と戦わされる。裸の男同士が抱き合ったりするのは、あまり気持ちよくないじゃん(笑)。17歳の夏に、高校をズル休みして七里ヶ浜の海へ行ったんだよ。
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そこで人生を変える出合いをするわけですね。
菅原
髪の毛の長いかわいい女の子が、ビーチに座っているの。で、一人のサーファーが海から上がってきたら、タオルとジュース、最後にタバコに火をつけて渡したのね。それを見て、何だこいつら、となった。

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レスリングとは真逆な世界ですね。
菅原
で、そのサーファーにお願いして、サーフボードを借りて海へ入ったんだよ。最初は、波に乗ろうと四苦八苦しては失敗。サーフボードを流してはビーチまで泳いで取りに行った。だけど、4回目にテイクオフできて、岸まで乗れちゃった。そうしたら、その人、びっくりしちゃって。「すげえな、オメエ。あんた、続けた方がいいよ」と言われてね。
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で、どっぷりとハマって続けることになった(笑)。
菅原
高校の同級生にサーファーがいて、マント滝本といって後にサーフボードのシェイパーになるんだけど、ヤツの実家が茅ヶ崎だったから通うようになった。1年くらいでGODDESS(茅ヶ崎の老舗サーフショップ)のテストライダー(サーフボードをテストライドするサーファー。サーフボードやウエットスーツも支給される)になった。
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やっぱり、才能があったんですね。当然、サーフィン大会にも出場していたんですよね。
菅原
最初は出ていたんだけどね。サイズが大きい波が好きだから。3本乗らなければならないルールなのに2本しか乗れなかったり、1本しか乗れなかったり。で、その1、2本で、決勝には上がれるんだけど、結局最後に負けちゃうんだよ。で、つまらなくなって。

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アンちゃんといえばビッグウェーバーですもんね。大きな波に乗ることにこだわり続ける。ビッグウェーブの魅力はどこですか。
菅原
テイクオフからのボトムまでの距離でしょう。あとはチューブ(波がサイズアップして作り出す円筒形の空間。この内部をサーフィンして抜け出ることはサーファーにとって究極のテクニック)だよね。チューブがすべてを物語っているよ。完璧じゃないとメイクできないしさ。選波眼っていうのかな。選球眼じゃないけど。そういうのがないといけないし、潮回りもあるし、波待ちするサーファーの並びや間隔もあるし、すごく研ぎ澄まされる。だから、心との会話があるよね。いつも心と会話して波に乗っているもんね。無になれるというか。

Photo/Jully
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1985年、茅ヶ崎に自身のサーフショップ「ハード&メロー」をオープンしましたよね。
菅原
コンテストがつまらないから、自分で自分をスポンサードして、好きなだけサーフィンをした方がいいなと思って、お店を出したのよ。
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店名の由来は何ですか。
菅原
サーフィンってハードじゃん。その時に、気持ちをメローに持っていって、いい波に乗らないと、メイクできないような気がする。あと「ハード」と「メロー」はまったく反対な言葉じゃん。両方の要素をサーフィンって持っている。海に入っている時はすげえハードだけど、上がるとすげえメローじゃん。
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はい、その通りです。
菅原
サーファーにしかわからない感覚だよね。海の中でもみくちゃにされて、あんな苦しい思いをしてさ。何なんだという感じだよね。だけど、海から上がると、すごくメローになれる。
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「ハード&メロー」という言葉は、アンちゃんにぴったりな言葉な気がします。やっていることはハードだけど、中身はメロー。その相反する価値観が同居しています。
